長州山口は気候も良く、三方の海 (瀬戸内・関門響灘・日本海)、そして深い山からの豊かな幸など自然環境に恵まれたところ。生きていく場所として本来は大変優れた、健康的に暮らすための環境が整った地域です。何万年もの悠久の時を私たちの祖先がそれぞれの人生を通じ、ここで汗を流し・笑い・泣き・喜び、今日まで弛みなく命のリレーを続けてきました。

そして私たちはこの地で命を授かりました。

ほんの60年前、私たちは土の上にいました。ほとんどの道はまだ舗装されておらず、多くの農家では牛を飼い時期になると田んぼや畑を耕してくれます。自分たちで育てた米や旬の野菜・果実、近海で捕れた新鮮な魚介類、あちこちに自生する野草など、季節がもたらす自然の恵みと共に生きていました。

その頃はそういった地産地消的生活が当たり前でしたし、電子レンジや冷凍・インスタント食品など便利なものはありませんでした。そしてまた、現代のような命を脅かす深刻な問題もありませんでした。

近年、稀なこととしてではなく多くの人に起こっている生殖関係の異常 (精子の減少・奇形や、筋腫・内膜症等子宮の病気の増加)、うつ病・自殺など、命のリレー／種の存続に関わることに特に危機感を感じます。

考えられるのは『水・大気・土壌汚染、農薬・肥料・添加物・ポストハーベスト・遺伝子組み換え食品、家畜飼料・飼養法、環境ホルモン、電磁波、紫外線、格差・ストレス社会、つながりの希薄化』等々、様々な原因が関係していますが、しかしどの問題についても法による基準があり、それらは厳密に守られてきたはずです。その上でこれらの問題が起こってきています。

そして今後はこれに加え、決して目をそらすことのできない問題 ＝ 放射能にも注意を払って生きていかなくてはならなくなりました。いずれも全てのことがこの100年の間に起こったことと言えます。

大切なことが知らされていない、また多くの方が知ろうとしない／気付かせない仕組みに疑問と強い危機感を感じています。なぜそうなってしまったのか？ 過去を検証し反省することはもちろん大切ですが、それ以前に私たち一人ひとりが現実生活ですぐに対処しなくてはならない緊急課題があります。それは何十代も先の命への影響を考慮した行動のための価値の見直し。まさに今、市民レベルで始めることが必要と感じるのです。

私たちの未来 ＝ 子孫の命を見殺しにはできません。何万年も受け継がれ護られてきたこの郷里の命を、私たち自身が危機に追いやっていることに気づき対処していかなければならない。そう強く感じるのです。